黄粱一炊の夢

母の家に居た。

ひ孫たちが集まっていた。

母の家で棲家ごっこをやっていたのだ。

しかしひ孫のそれぞれの顔は記憶にない。

母がいたことと、わが娘が幼児だったことぐらいだったが、

我が娘だったという記憶はなかった。

食事に外に出た。

どこで食べようかとしていたら、長春の勤務先の学食があった。

そとから中の様子が見えた。

老板娘と従業員二人が、テーブルに座って語っていた。

その顔ははっきり覚えている。

一人は日本語教師の母親、もう一人はその人の友達で、

四川省出身の人で、劉備と同じ姓の人だった。

三人とも当時のままの顔だったが、俺は気付かれないようにと気にしていた。

10年以上前なので、俺には気付かなかっただろうと。

そして母の家へ、そこに日本から従姉夫婦が来ていた。

どうして中国までやって来たのか、来る方法はわかったのかと。

たくさんの登場人物がいたが、顔をはっきり覚えていたのは、5人だけだった。

明け方の数分間に見た夢だった。

それで題名を「黄粱一炊の夢」としたのだが、

「黄粱一炊の夢」とは、コウリャンをひと炊きしている間に、人生の浮沈を一瞬の夢に見た、人生の毀誉褒貶はそんな一瞬の出来事という意味だが・・・