大道芸

子どものころから大道芸が好きだった。

八代での少年時代、八代宮の祭りに大道芸があった。

当時は舞台では肥後にわかをやっていた。

俺の最初の追っかけは肥後にわかだった。

八代の祭りではハッカパイプ売りに興味があり、

そこで留守番をしたこともあった。

鹿児島では奄美大島のハブの薬売り。

よく見に行っていた。

東京では浅草をぶらついた。

沖縄でも沖縄芝居の野外舞台での演技を見た。

台湾でも韓国でも露店を廻った。

北京では有名な天橋の露店での演芸を見た。

シンガポールでも。

小沢昭一の「日本の放浪芸」のレコード全集を買った。そしていま、

65インチのテレビで東京大衆歌謡楽団の露店演奏を見ている。

月曜日から金曜日までは沖縄の琉球放送の「民謡で今日拝なびら」を見ている。

これも俺には路上演芸に見える。

俺も中国蘇州の蘇州評弾の劇場前の広場で歌ったこともあった。

ソーラン節を歌い、中国人の聴衆が握手を求めてやってきた。

高校時代の卒業前のショートホームの始まる前の数分間、「さらばラバウル」を歌ったのも、露店芸のつもりだったのだろう。