『どくとるマンボウ青春記』

北杜夫 1927年5月1日~2011年10月24日

「洞察力のある皮肉屋」角川誕生日事典

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夜中に朗読を聞いた。この朗読を聞きながら、北杜夫に夢中だった高校時代の友人のことを思った。柔道部の政一君だったか、学生時代に同じアパートに住んでいた秀輝君だったか。

そのころ俺もどくとるマンボウシリーズを読んだ。

昭和2年生まれということで、昭和3年生まれの母の弟を思った。小学校時代優等生だった叔父が中学校試験で不合格になったということを。発表前日に合格していると中学校の先生に言われたが、発表の日には不合格、すり替えられたと祖母が悔しがっていた。祖母のその悔しさを語る思いを思い出すのである。その叔父さんは30代で亡くなったが、息子はその後九大を卒業して歯科医になった。歯科医になっている彼を見た時、彼は覚えていない彼の父親の姿を思い浮かべていたことも思い出したことがあった。

人生いろいろ、祖母の悔しがっていた姿が忘れられない。

叔父も中学校に行っていれば、高等学校大学に行ったかもしれない、北杜夫さんの学生時代の話を聞きながら、そんなことも想像した。