柳家小三治

1939年12月17日~2021年10月7日

「現実の国の住人」角川誕生日辞典

夜中に小三治を聞いた。

柳家小三治が真打になったのは1969年9月、俺はその真打披露を新宿末広亭で見た。

当時の名人噺家の口上が豪華だった。文楽・円生・正蔵そして師匠の小さんがいたと思う。小三治という名称はやがて小さんを約束されている大事な名称だと聞いたこともちゃんと記憶にあった。そして小三治は小さんを継がなかった。小三治のままで人間国宝になった。小さんを継がなかった小三治に心を打たれた。小三治という名前を大きくして去っていった。寄席に通っていたころは、当時の笑点のメンバーはよく出演していた。今になればそんな時代に寄席に通えたことが大きな財産になった。

桂文楽も寄席で見たのだった。