名人芸

歳をとって、一番よかったことは、

名人芸を見てきたことだ。

寄席に金をつかった、明治生まれの落語家も漫才師も女性芸人もいた。

沖縄に飛び込んだ、沖縄の有名芸能家も見た。

台湾中国にも1070年代には旅をした。テレサテンが日本に来る前?台北の大歌庁で見た。梅蘭芳の息子の梅葆玖の京劇も漫才の候宝林の講演も間近で見た。

芸能人だけではない明治生まれの大学教授の名講義も聞いた。

そんな人間だけの出会いだけではなかった。

1967年の東京、70年の那覇、71年の台北、81年の北京上海。

あれこそ俺の財産になった。81年の中国はいまのようなビル街ではなかった。

戦前の中国があった。いや75年にはソウルも彷徨った。貧しかったソウルの街も見たのだった。歳をとることが何もかも悪いわけではない。

若かった君を見たのだ、貴女を見たのだ。50年前の、君たちの輝きを。

そして、今という最高の過去を目に焼き付けて日々の生活を送ろうとしている、今日を大切にして、今日はプールに行こう。