橋幸夫の♪潮来笠を聞きながら

君のことを想った。

中学校時代のクラスメートだった。

小学校時代から知ってはいたが、

友達になったのは中学3年の時だった。

高校はべつべつだったが、近所だったので、

たまには会っていた。

大学時代帰省すると、自家用車を持っていた君が

よくドライブに連れて行ってくれた。

俺が中国で勤務をして、定年で帰って来た時、

君の消息を中学時代の友人たちに訊いても誰も知らなかった。

そんなときに君の友人でも会ったE君が、君が亡くな田ことを教えてくれた。

生涯独身だった君、君が中学時代のクラスメートを好きだったことはずっと知っていた。

中学校の同期会があり君が亡くなっていたことを友人たちに教えた。

君が好きだった女の子も来た。60歳をすぎてからのことだ。

彼女に君が好きだったことを伝えた。もちろん彼女も知っていたかもしれなかったが、

橋幸夫の♪潮来笠ばかり君は歌っていた。

君を思い出すと♪潮来の伊太郎と歌う気味の笑顔が浮かんでくる。

独り者だったし、妹さんも弟もいたが、鹿児島にはいないだろう。

もし君の弟妹に会うことがあれば、命日をしたい。

そして一人でも君の霊に拝みたいと思っている。