「鹿児島ですか」

東京旅2日目、地下鉄早稲田駅で下車、地上に出ると早稲田大学の方角がわからない。

足が痛かったので無駄歩きはしたくなかった。

前から歩いてきた三十前後の若者?に、道を訊いた。

早稲田大学はどっちですか」と。

彼は開口一番、「鹿児島ですか」と訊いてきた。

「そうです。わかりましたか」というと、にっこり笑って、「すぐわかりました」と。

そんなことなどがあったせいか、東京に無情を感じなかった。

情けを感じた。