青年時代のはずだったが、
当時よりはお互いに少し老けていた。
隆明君に結婚相手が決まった。
同じ同級生のひろ子さんだった。
羨ましいと思った。
なぜ俺には紹介しないのかと、寂しそうにしていた。
悔しそうにしていた。
初婚である。
隆明君もひろ子さんも幸せそうだった。
目が覚めた。
隆明君には孫がいる。ひろ子さんは昨年亡くなっている。
東京同期会の幹事を長くしていた女性だ。
70歳になろうとしていた当時も変わらず美人だった。
隆明君は幸せな男だと思った。
順風満帆、彼に似合う言葉だと思った。
ここを見るであろう隆明君。
ひろ子さんを知っているだろうか。