三国志新聞 号外 西暦208年12月
1981年8月赤壁を船で通った。
船上には日本からの留学生たちが。
皆、赤壁の戦いを語っていた。
俺も彼らの話の中にいた。
しかしその時、赤壁の戦いが誰と誰が戦ったのかさえ、知らなかった。
昨夜から中国ドラマを聞きながら寝ていた。
明け方目が覚めた時に、赤壁の戦いになっていた。
それも赤壁の戦いだった。
そして思い出していたのが、41年前の赤壁を目にしての船上の語らいだった。
74歳になった俺は今、知識欲に燃えている。
しかし半分の気持ちは遅かったという思い。
せめてもの自己慰めを言うと、旅だけは早くにやっていてよかったとのこと。
70年沖縄、竹富島にまで行った。
71年台湾、台北から日月潭に行き、高砂族の当時の酋長さんにも会った。
75年には韓国、朴大統領の時代を垣間見た。
78年には香港、まだ開発されなかった時代の深圳を香港側から見た。
81年、初めての中国旅は北京中国人民大学への短期研修。
82年にはシンガポール放浪。
それぞれの人生があったのだろう。
定年後は勉強と言うことは、早くから決めていたので、
遅かった勉強への取り組みだったが、それなりに人生計画の予定通りだったかもしれない。