台北有情

昨明け方YOUTUBEで「サヨンの鐘」を聞いた。

台北で初めてこの歌に出逢ったときのことを思い出した。

1975年の春節旧正月)を過ごした数日後、元宵節の頃だったか?

台北で知り合った日本人留学生たちと台北の街を散策していた。

日本語をしゃべっている我々に関心があったのか、一人の台湾人が話しかけてきた。

画家で小学校の教師をしている人だった。

彼の通っている日本語学校がその日に卒業式だということで、

見学しないかと誘われて、彼の卒業式パーテイについていった。

塾長は年配の日本語教師の先生だった。日本教育を受けられた人だった。

みんなで日本語の歌などを歌って、その会を俺たちも楽しませてもらった。

そこで聞いたのが「サヨンの鐘」だった。

初めて聞いた歌だった。日本人の俺たちが知らない歌に心を打たれた。

その歌のとりこになった。ちゃんと覚えて歌いたいと思った。

その後、数カ月して日本に帰ってきたが、「サヨンの鐘」をレコード屋

探し求めた。そしてついに探しあてた。

渡辺はま子が歌っていた。レコードを買い求めてその歌を覚え込もうと

数年かかって練習した。

その十数年後、その歌が中国語でもあることを知った。

その中国語の歌の歌曲名を調べる日々が始まった。

そしてそれが台湾の流行歌「月光小夜曲」であることが、ついに分かった。

2005年、中国長春で仕事をすることになった。

カラオケでその歌に出逢った。

その歌を中国語カラオケで歌い始めた。

そんなことを、明け方YOUTUBEを聞きながら思い出していた。

明日からは、長らく休館していたスポーツジムが始まる。

そこのプールで水中歩行をしながら、口ずさんでいたのが、その歌だった。

数年歌い続けている。

明日はその歌を小声で歌う機会も始まる。

♪ 嵐吹きまく峰ふもと 流れ危うき丸木橋

渡るは誰ぞ 麗し乙女 えーえーえ~

なぜかあとが出てこなくなっている。

もう一度聞きなおしてみるか。