金瓶梅 平凡社版

この唄は、情と色とについて述べたものですが、いったい、情は本体、

色は作用ですから、色は目に絢しく、情は心に感ずる、情と色とは相生相剋、心と目とはなかま同士という関係。昔から今まで、聖人君子といえどもこれを忘れるわけにはいかない。晋の人が「情の鍾る所は正に我輩に在り」といっております。たとえば磁石が鉄を引き寄せるようなもので、その力は障碍物をも透してはたらく。