うわさ供養

亡くなった友人たちの事を語りたいのだが、語る人は誰もいない。

同期会に行っても話題にもならない。

俺が同期会に行かなくなったのは、貢が亡くなってからだった。

かれとはよく語っていた。話が面白かった。世界各地を仕事でまわっていた彼の体験が面白かったのだが、今、誰の体験がオモシロいうのか、おれの経験でも聞けばよっぽど面白しろそうだが、しだいに足が遠のいたのは仕方がない、それでも足が歩けなくなった俺は東京の大学同期会には昨年10月に参加してきた。今年の8月の高校同窓会にはやっとの思いで参加してきたそこには俺が行くならと言って目が見えにくくなった武憲君はやってきていた。彼と語ったわけではないが、彼の顔を見ただけでも語ったような気にはなった。