1971年 昭和46年

「安盛の暁でーびる」を聞きながら、

芝居歌が出て来た。♪桃売りあんぐぅあー。そんな芝居を見たことを思い出しながら聞いていた。俺が沖縄のラジオを聞いているときは1971年を思い出しているのだと気づいた。大学を卒業した年、沖縄に行った年。まだ22歳だった。無謀な沖縄移住だった。

住んだ家は畳はなかった。部屋は畳を上げた床の部屋で茣蓙を敷いた。トイレはもちろん汲み取りだと思うが草原の中にあった。「ハブが出た」という近所のおじさんお声にびびりながら用を足したことを思い出す。ハブにかぶりつかれるのではと。近所に天ぷら屋があった。沖縄の天ぷらは本土とは違った。イカの足をてんぷらにしてあった。そこで夕飯を食べた。母娘でじていたが娘さんは当時30歳を過ぎていただろう。すると今は85歳ぐらい、隣には子連れの後家さんがいた。ときどきおいしい沖縄みそ汁をさしいれしてくださった。隣近所にアメリカハニーという女性がいた。米軍人の現地妻だ米兵はベトナム戦争帰り、叔母さんは40歳を過ぎていた、過酷な戦争体験をしていた。ラジオを聞きながら53年前のそんな生活を思い出している。