何度か台湾を旅した。
1970年代だ。
俺は何が目的で旅をしているのか、と自問自答した。
何を見ているのか?と。
結局芸能に魅力があったのでは。
今日世界で見た京劇、国軍文芸中心にも相当通った。
京劇を見るためだった。映画館にもよく行った。
初めての台湾旅で知り合った人が、外国旅行は映画ですよと言っていた。
台湾旅は映画を見る旅でもあった。
台湾香港映画をあの時代はよく見ていた。
ブルース・リーの時代だ。
女優の林青霞にも夢中になった。
よくは通わなかったが、大歌庁にも行った。
日本デビュー前のテレサ・テンも見た。
食い物屋は日本食堂に通った。西門町の美観園、
ここのにぎりがうまかった。しかし当時は日本料理は俺には高級料理だった。
台湾の陽春麺などが100円で食えるのに、寿司は300円していた。
もちろん300円は高くはなかったが、台湾料理なら腹いっぱい食えたのだ。
今は無くなったと思うが、当時はとても華やかで、当時の俺には見たこともない世界だった。
台湾の人種構成もおもしろかった。
映画館には毎日通っていたが、初めて少女歌劇団というのを見た。
何か妙な気持ちがして中に入った。いつもとは違う雰囲気に驚いた。
映画館は前席はいつも人は少なかったが、その時だけは前席から詰まっていた。
前席の前に折り畳みの椅子が置かれていた。
そして少女歌劇が始まった。台湾のスト***だった。少女たちが舞台に立って、幼稚な踊りを踊っていた。見るとパンツを半分だけ・・・。
それから50年。俺が台湾で見たものは、台湾が中国になりたいのか、拒否したいのか。
そんなことを考える材料を見たような気がしている。
今、テレビの映像は「CCTV中国文芸」中国の芸能番組。4月29日、30日の放送。