今年の漢字は『金』に決まった。
私は今年は迷った。
浮かんでこなかった。
『彦』にしようかと思った。
私の名前に彦をつけようとしたと親父が言っていた。
しかし当時の名前に登用される漢字に彦は含まれていなかったそうだ。
しかし同時期に誕生した友人に邦彦という人がいた。
なぜだろうかと今でも思っている。
プールで友達になった邦彦君の叔母さんが、
父親の祖父の名前寅彦から一文字もらったとの話に、俺は驚いた。
そのおじいさんというのは親父が仕えた社長さんのことだった。
ひょっとして、その社長さんの初孫に彦をつけたので、親父は遠慮をしたのではと。
高校の同窓会で会ったことのある邦彦君と、その話をしてみたいと思っている。
親父が名づけようとした名前は一彦だったそうだ。
『学』にした理由はあとで、プールに行く時間が迫ってきたので。