昭和44年4月4日の恋

京王線の仙川の先の駅だった。

その前日その人の家に泊ったのだった。

その人の兄さんがアルバイト先の上司。

酒に招待されて彼の家に行ったら妹の千草さんがいたのだった。

酒もうまかった。俺たちが来たので、妹は押入れに寝た。

俺はその押し入れに入って、彼女と話し込んだ。と翌日一緒に招待された高校生が教えてくれた。そしての朝の駅だった。彼女はバイトに行く、俺は帰る。その駅で彼女を食事に誘った。断られた。それっきりだったが、今思えば、断られたと言うよりも食事に誘われたことを喜んでいたように思えるのだが、二十歳の俺はふられたと思いきっぱりあきらめた。そんなことを4月4日になれば思いだす。旭川のひとだった。