親父と行った寿司屋

50年以上前だ、

天文館、黒岩ラーメンの横筋

わかなのあった通りに映画館があった

小劇だったか

その映画館の前に平山無邪気という寿司屋さんがあった

そこに親父と行った

たぶん昭和42年だっただろう

俺が大学1年の時だ

そこで親父と寿司食べた時のことを思い出した

世界ふしぎ発見で、

金を払う時、寿司屋の親父が「領収書を」と言ったが、

親父は「いらない」と自腹で払った。

親父が会社の重役だったので、そんな支払いもできたかもしれなかった。

親父が自腹で払ったことが、19歳の俺にはきれいに見えた。

子供のころ、地金拾いをよくやっていた。地金が小遣いになった時代だ。

俺が夢中になって、地金拾いをしていると、親父は言った「目が鉄のようにギラギラなるぞ」と。

その寿司屋の向かい側の映画館小劇で、「滝の白糸」を見た。

若尾文子菅原謙二若尾文子の美しさに、子ども心に、

早く大人になりたいと思ったことなども思い出す。