1971年3月1日

八代で

卒業が決まってからまたこの本を読んだ。

じいちゃん、ばあちゃんが、職を断った俺を馬鹿だという。本当に俺は馬鹿だろうか。しかし、今さらながら自分の無知であることに気付いた。

『大学でいかに学ぶか』一橋大学長 増田四郎著 講談社

 その裏表紙に俺が書き付けていた。その日からちょうど今日は51年目になる。

その日からの51年間の俺の生活を思い浮かべる。やはり、馬鹿だった。

その一言だ。大学を卒業した年に、俺は自分の馬鹿に気付いていたのだ。

本気で馬鹿だと思ったのなら、もう少しちゃんと歩いてこれたのに。