明け方、YOUTUBEの画面に1974年の紅白歌合戦オープニング。
なんとなく懐かしかった。
47年前の映像だから、今テレビに出ている歌手たちも、
47歳若い映像が映っていた。
昭和49年の12月31日、俺は台湾にいた。
台湾でその年の12月31日を友人たちと過ごしたであろう、
遠い記憶がある。
ある会話を覚えているのだ。
「今頃紅白歌合戦をやっているだろうな」という会話。
誰としたかはさだかではないが、日本人留学生たちとだっただろう。
台北に遊学していた時期だ。
遊学という言葉で表現するのは、勉学だったという生活ではなかったからだ。
毎日のように台湾映画を見て、京劇を見る生活。
友人たちと安酒を飲み歩いていたからだ。
しかし青春時代といえば、その1974年、75年が真っ盛りだった。
最近でも会っている高校時代の友人たちと過ごした大学時代はもちろん青春時代。
台北での青春時代は恋が活動していたからだった。
そんな時代の紅白歌合戦。
出て来た歌手や映画俳優のことも書き込みたかったのだが、
当時の自分の姿が大きく浮かんできていた。
72歳になった今、歩けなくなったといっていい。
旅の情熱が枯れつつある。
旅するということは歩くことだからだ。
当時台北の街を歩き回っていた。
彷徨っていた。
淡水や基隆にも汽車弁を食べながら列車旅をした。
映画館巡りの旅でもあった。
そんなことを思い出しながらのつかのまの、
紅白歌合戦のオープニングだった。
そして今思い出した。
今日は2月28日だったと。
2月28日こそ、台湾で最も大きな事件があった日だという事を。