同期会のスピーチ

俺が第一声だった。

本来の目的は俺が作詞した高校応援歌を歌うつもりだった。

しかし唄う雰囲気ではなかったので、

俺は俺の人生とは全く関係のないクイズ形式の質問を同期生に向かって訊いた。

最初の質問は1965年を知っていますか?みなそれぞれ考えてはいたようだったが

俺が求めていた答えは高校2年生だった。しかし大きい声でそれを言う人はいなかった。みな歴史的事件を考えていたのだろう。小さい声で高校2年生だったと囁いている人もいた。なぜこの質問をしたか、俺は1965年高校2年生の時に歌った歌を唄おうと思っていたからだった。しかし唄わなかった。話題が高校2年生にならなかったからだった。

2番目の質問は今日は何月何日ですか?その質問には笑いが出ていたばかばかしい質問にたいする失笑だった。これはこの後の旧暦では何月何日ですかだったが、誰も知らなかった興味もなさそうだったので、すぐ切り上げた。狙いは沖縄出身の同級生が反応しないだろうかとの期待だった。東京から参加していたその人は聞いてはいたが、反応はなかたった。

3番目の質問は「えっちゃんを知っていますか?」だった。これに反応がなかったことには驚いた。えっちゃんに私を初めて紹介したのが幹事の博昭君だったのに。そして私はそのえっちゃんに、元県議の一治君を紹介した。そんなところからえっちゃんの話題にはいろうと思ったのだが、これも反応が薄かったのでスルーした。

しかし思っていた通り克信君が「えっちゃんは自分の姉だ」といったので。克信君とえっちゃんの話をした。今日の訊いたえったんはそのえっちゃんではなかったのだが、彼の姉さんのことについてはかれと語ろうと思っていたので彼と語ることがでいた。2年前に亡くなったと彼が言ったので私は当時鶴丸高校に通っていた彼の姉さんを思いだしていたのだ、そして彼の姉さんのことを聞いただけで俺は満足した。俺だけが感じたファミリーヒストリーがあったのだった。歌は歌わずによかった。