高田馬場からバスで大学に行く途中、
我々のアパートに入る商店街がバスから見えた。
元気なころだったら、そこまで見学に行くのだが、
歩く気持ちにならないというのがこんどの俺の体調だった。
君と過ごした面影橋のアパート。
青春時代真っ盛りの象徴の場所でもあった。
こんど君に会ったら、あのアパートの君の思いでも聞いてみたいものだ。
そこで君のお父さんとはお会いしたが、お母さんはそこに来たことがあったのかいと。
はっきりした記憶が残っているわけではないが、そこに弟が結婚した女性の弟が来たこともあった。もちろん弟はその頃その女性とも弟とも会ってはいなかったが。
後輩の応援団員でその後応援団長になった人も来たような気がする。ずっとのちにその人と語ったが彼は全然覚えていなかった。彼は俺の事も知らなかった。
俺の特別な記憶力のせいで、俺は覚えているのだ。
前川アパートだったなあ。