彼はとても会いたがっていた。
せっかく東京に来たのにと。
俺は歩くことに相当くたびれた。
全然歩けなかったのだ。
だから彼の誘いも断った。
彼は逢いに来ると言ってくれたのだが。
高校時代のクラスメート。
東京時代は4年近く彼は隣の部屋に住んでいた友人だった。
そして彼が言ってくれた言葉が、「空港まで送ってやるよ」と。
とても嬉しかった。
しかし断った。
そして今度の旅で俺は何をしに来たのだろうかと、
あらためて考えてみた。
元クラスメートの秀輝君が「空港まで送ってやる」という言葉を聞きにきたのではと思った。
74歳になる彼が運転をして。
その言葉は、タイトルのような意味ある言葉だった。
このことは友人たちにもちゃんと伝えたいと思っている。